教育者や子育てに関わる全ての人なら知っておきたい教訓、『しつけの三原則』をご紹介します。
冒頭から少し話がわき道にそれます。
今回、この記事を書くにあたって『しつけ』に関しては私個人的に重要な事と捉えています。
日本の未来を考えた時、しつけは社会で活躍するための人間の重要な基礎となり、人間性や質の高い教養の土台となります。
私にとってなぜ『しつけ』が重要なのか? 私にはまだ幼い子ども達が4人います。その4人の親として子ども達の為になる教育がしてあげられているのか?良い子に育ってくれているか。 親なら当たり前に思うことですが、やっぱり少しでも良くしてあげたいと思ってしまうのが親心というものじゃないですか。 元気で健やかに育ってくれればいい、人に迷惑をかけない人になってくれればいい、それだけで十分なのですが、親として子ども達にはこれからの社会、日本を担う大人として立派に育ってほしいとも願っています。 その為に何がしてあげられるのか日々、勉強、実践です。もちろん失敗もいっぱいします。 普段の生活、仕事をしながら子ども達に接することは思った以上に大変です。 なにせ限られた時間の中で愛情としつけの両立は難しいのです。それでもいい情報や失敗からの学びはどんどんインプットして自分なりに整理して噛み砕いてアウトプットしてあげる。 それでも失敗して悩んで試行錯誤して自分なりに親として成長させて貰い、子どもと共に成長していく。そんな日々を楽しんでいます。 そんな事ですので子育ての教育、しつけに関心が強いのです。 |
さて、本題に戻しましょう。
今回のテーマ、この『しつけの三原則』の教えを普及したのは森信三という方です。
森信三はどんな人?
森信三(もり のぶぞう)と読みます。
「人生二度なし」の言葉で有名な教育者であり、哲学者です。国民教育の父とも言われ、多くの方々の師として、心の支えとなり力となった方です。
森先生は真面目で一生懸命、謙虚な姿勢で物事に向き合い、素晴らしい多くの著書と精神、日本の未来を残された方です。
単純明快な森先生の言葉からは思いやりや愛情が深く感じられ、私たちの心に多くの火を灯してくれます。
おススメの著書 修身教授録 (致知選書)は多くの人から読まれ、影響を与えている名著です。
森信三 もり・しんぞう(戸籍名:のぶぞう)
明治29年9月23日、愛知県生まれ。
大正15年京都大学哲学科卒業。昭和13年旧満州の建国大学教授、28年神戸大学教授。
「国民教育の師父」と謳われ、86歳まで全国を講演、行脚した。平成4年逝去。
著書は多数ありますが、中でも『修身教授録』は教育界のみならず、愛読書として挙げる経営者やビジネスマンも多く、いまなお人々に感化を与え続けている。
森 信三(もり のぶぞう、1896年(明治29年)
9月23日 – 1992年(平成4年)11月21日)は、日本の哲学者・教育者。通称、しんぞう。人物
愛知県知多郡武豊町に父・端山(はしやま)俊太郎、母・はつの三男として生まれる。2歳で岩滑(やなべ、現在の半田市)の森家に養子に出され、以来森姓となる。ちなみに「信三」は戸籍上は「のぶぞう」と読み、「しんぞう」は戦後帰国した際に他人が読みやすいという理由から名乗った通称である。
森はその生涯から「人生二度なし」の真理を根本信条とし、「全一学」という学問を提唱した。「全一学」とは、
東西の世界観の切点を希求するもの
宇宙間に遍満する絶対的全一生命の自証の学
世界観と人生観との統一の学など12項目以上の定義にもとづくもので、要約すると「宇宙の哲理と人間の生き方を探求する学問」となる。森はこれらの思想をもとに全国各地で講演を行なうとともに自ら実践を重ね、日本民族再生に大きく働きかけた。
森の理論は実践から生まれた具体的なものが主で、「立腰」論はその最たる例の一つである。「立腰」論とは「腰を立てる」の意で、森はこれを「人間に性根を入れる極秘伝」としている。
語録など
人生二度なし
真理は現実のただ中にあり
また、徳永康起遺文集にも記載されている通り、以下の文章を精力的に広めることを推奨していた。人間の一生(読み人知らず)
職業に上下もなければ貴賤もない。世のため人のために役立つことなら、何をしようと自由である。
しかし、どうせやるなら覚悟を決めて十年やる。すると二十からでも三十までには一仕事できるものである。それから十年本気でやる。
すると四十までに頭をあげるものだが、それでいい気にならずにまた十年頑張る。すると、五十までには群を抜く。しかし五十の声をきいた時には、大抵のものが息を抜くが、それがいけない。「これからが仕上げだ」と、新しい気持ちでまた十年頑張る。すると六十ともなれば、もう相当に実を結ぶだろう。だが、月並みの人間はこの辺で楽隠居がしたくなるが、それから十年頑張る。
すると、七十の祝いは盛んにやってもらえるだろう。しかし、それからまた、十年頑張る。するとこのコースが一生で一番面白い。
『もりしんぞう』とも言われますが正式名称ではありません。
『しんぞう』戦後、人が読みやすい、親しみやすいという事で名乗った通称です。
しつけの三原則とは
森先生のしつけの三原則を見てみましょう。
森信三(教育者) 『致知』1985年11月号より
1、朝、必ず親に挨拶をする子にすること。
2、親に呼ばれたら必ず、
「ハイ」とハッキリ返事の
できる子にすること。3、ハキモノを脱いだら、必ずそろえ、
席を立ったら必ずイスを入れる子に
すること。じゃ、このしつけのコツはというと、
まず、母親自身が、ご主人に対して
朝の挨拶をハッキリするようにし、
また、ご主人から呼ばれたら、
必ず「ハイ」とはっきりした返事をするように
努力することです。この「ハイ」という一語によって、
その人は「我」を捨てるわけです。つまりそれまでの意地や張りの一切を投げ捨てるわけです。
同時に、それによって当の本人はもとより、
一家の人びとの雰囲気までが変わりだす。昔ね、登校拒否の中学生をもって
困り抜いたお母さんから相談を受けたんですがね、
その解決法はただ一つあるだけで、
それは明日からあなたがご主人によく透る声で
「ハイ」と返事をされることですといった。その人はその通りしたんでしょう、
その子どもはその後11日目には
もう登校しだしたとのことでした。「ハイ」という言葉が本当にいえたら、
非行少年でも徐々に変わってくる。
ところが、本当に「ハイ」がいえる婦人は
百人のうち、二、三人じゃないかな。表現を変えればね、これだけの俸給を得るために、
主人がどれほど下げたくない頭を下げ、
いいたくないお世辞をいっているか――と
いうことのわかる奥さんにして、
初めて聡明な母親となるわけです。出典:人間力.com 森信三師「しつけの三原則」より
※現在このページは無くなりました。
三原則を簡単にまとめると
① あいさつをしましょう
② ハイの返事をしましょう
③ 履物を揃え、イスをしまいましょう
となります。
当たり前の事ですが、この3つが出来ている子は中々いません。
大人でも出来ていない人が多くいらっしゃいます。しつけの三原則、出来なてないない方は是非、ご自身から実践されてみてください。
躾(しつけ)の重要さ
しつけ(躾)という漢字は『身を美しくする』書きます。
この躾は人間社会に必要な事を学ぶ事です。実際にしつけはどういう風に大切なのか考えてみましょう。今一度しつけの意味をおさらいしましょう。
躾とは…
人間社会・集団の規範、規律や礼儀作法など慣習に合った立ち振る舞い(規範の内面化)ができるように、訓練すること。概念的には伝統的な子供への誉め方や罰し方も含む。
ドイツ語では、しつけのことを、die Zuchtというが、これは人に限らず動物(家畜)の調教、訓練の意味もあり日本語のしつけと同じである。
現在の日本ではしつけにマイナスのイメージがありますが、それは体罰や虐待、誤った教育方法の認識です。
正しいしつけとはそういった浅はかな事ではなく子ども達が将来、自分の人生を生きる上で大切な事を教え、納得させて身につけて貰うことです。
公共の場でのマナーやコミュニケーションでのマナー、相手を思いやる心が持てるようになり、行動で人の模範になる人間に育てあげる事です。しつけが出来ていないとこの様になります。
しつけが出来ていないと感じる一例 ・時間が守れない(遅刻、遅くまで遊ぶ) ・どこでも走りまわる |
ただ、子どもはみんな最初はこれら全てが出来ない所から始まります。
出来ないのはダメなのではなく、まだ学べてないだけですので根気強く、愛情をもって子どもたちに教えていく事が大切であり上手くいく秘訣です。
しつけの三原則が身につくと、どうなるの?
『しつけの三原則』が身につくと『我(が と読む)』がとれる、無くなるという事です。
『我』がとれるという事は素直な気持ちになり、心の受入れの姿勢が整った状態になる事です。
この状態はスポンジのように何でも吸収し、伸びていきます。
『我』をとる、と言うと個性を無くす様に聞こえるかもしれませんが、むしろ逆で個性を出すために我をとり、伸びしろを伸ばすのです。
そしてどんどん成長し、個性をどんどん伸ばせるのです。(しつけが出来ていない、他人に迷惑をかける人が個性を伸ばしたり、活動的になるとどうなると思いますか??)
反対に『我』が強いと自分の考えにそわない事は吸収せず、心の受入れの姿勢が出来ない、吸収、成長できない状態になります。
「エゴイストに成長なし」とも言われるように『我』が強いと心の中、頭の中の知識は水流が止められた川のようによどみ腐ります。川に水が流れると美しくなるように、知識の水はどんどん受け入れ吸収し、実践して水を流すことで活かされる事が大切なのです。
しつけがきちんと出来ている子や大人は、必ず伸びていきます。自然と出来るように無理をせず努力しましょう。
しつけの三原則のツイート
しつけの三原則に関するツイートをご覧ください。
「しつけの三原則」
1.朝、必ず親に挨拶する子にすること
2.親に呼ばれたら必ず、「ハイ」とはっきり返事のできる子にすること
3.ハキモノを脱いだら必ずそろえ、席を立ったら必ずイスを入れる子にすること
挨拶、返事、片付け、大人になっても出来ない人もいるけど、それだけで運気が落ちるよ!— 右島薬局 斉藤滋之 (@Mgishimayakyoku) August 29, 2018
立腰と躾の三原則
腰骨を立てる
挨拶は自分から先にする
返事はハイとはっきりする
はきものをそろえる 席をたったら椅子をいれる場を浄め
時を守り
礼を正す全て大事なこと pic.twitter.com/IdOOouLY5t
— 松 (@kakker8) September 26, 2018
最後までお読みいただきありがとうございました。
以上、【森信三の『しつけの三原則』の教えとは】でした。しつけの三原則、出来てしまえば難しいことではありませんし、とても素晴らしいことです。
大人でも出来ていない方がたくさんいらっしゃいます。これを機会に是非ご自身を見直し、教育に活かしてみて下さい。
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●参考サイト・文献等
人間力.com 森信三師「しつけの三原則」より引用 ※ページが無くなりました。
ウィキペディア 森信三
致知出版社 森信三
神戸教育情報ネットワーク 良好な人間関係を築ける人になるために